無所属2人の一騎打ちとなった三重県尾鷲市長選は8日に投開票され、現職の加藤千速さん(76)が、新顔で元県議の津村衛さん(50)を破り、3期目の当選を果たした。当日有権者数は1万3346人。投票率は71.38%(前回73.18%)。
加藤さんは、財政立て直しなど2期8年の実績を前面に押し出し、3期目の「集大成」として「大型製材所の誘致など10の大型事業を完成させ、尾鷲を元気にしたい」と訴えた。
物価高のなか、生活支援策としてプレミアム商品券発行やふれあいバスの高齢者無料パス配布などを掲げ、厚い後援会組織を総動員して支持を固めた。
津村さんは「今の尾鷲は市民の声が届いていない」として、トップダウンではなくボトムアップの市政への転換を主張した。SNSを活用した発信で、若い現役世代を中心に「子どもたちのために、この選挙で世代交代をしなければいけない」などと支持を求めたが、届かなかった。
市長選と同じ日程で投票された市議選(定数10)には現職7、新顔7の計14人が立候補し、開票作業は深夜まで及んだ。
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尾鷲市長選の開票結果は次のとおり。
加藤千速さん 5087票
津村 衛さん 4329票